小曲温泉(Komagari Spa 


施設名 秋田谷旅館
場 所 青森県五所川原市小曲字沼田
源泉名 小曲温泉
泉 質

ナトリウム−塩化物泉

温 度 44.6℃ pH 7.17 溶存成分総計 9,564mg/kg

(Na 3482mg, Mg 28mg, Fe 6.6mg, Br 16.3mg, Cl 5307mg, NH4 3.9mg)

お湯の様子 茶褐色濁り,塩味+炭酸味,金気臭+土類臭,かけ流し,熱め 
料 金 日帰り不可 営業時間

旅館としての営業は現在行っていないとのことでした。(平成22年春現在)


 五所川原市から岩木川を渡るとそこは隣町である。国道101号で岩木川を渡り,いよいよつがる市柏地区に入ったかと思いきやそこになぜか五所川原の飛び地がある。その飛び地の住宅街の中にぽつんとあるのがこの秋田谷旅館だ。この旅館は日帰り入浴を受け付けておらず,入浴するためには宿泊するしかない。今回は青森市で朝早くからの所用があったため,素泊まり3000円で利用した。到着が19時過ぎ,早朝の出発時刻が6時半という変則的な時間にもかかわらず宿の人はとても快く対応してくださった。

 浴室は1階の階段横にあり,内鍵を掛けて貸し切り利用できる内湯が1つだけあるシンプルなものだ。壁のタイルはオレンジ色のラインが入っており,一種独特の雰囲気を醸し出している。お湯は無色透明で炭酸味と塩味を混ぜ合わせたような熱い源泉が湯口から注がれており,時間とともにそれが茶褐色濁り湯へと変色していく。湯面には梅茶湯花がふわふわ浮いていて,ふんわりと金気臭のような土類臭のような香りが漂ってくる。熱気がムンムンした浴室でこのまま浴室内に居続けると熱気で倒れてしまいそうだったので少しだけ窓を開けて湯浴みした。いざ浴槽に体を沈めてみると,ビリッとくる熱いお湯が浴槽の縁から一気に溢れていき,浴室内の廃湯口へすさまじい勢いで流れ落ちていく。まるで床が洪水にでもなってしまったかのようになってしまった。これは見ているだけで実に圧巻である。力強いお湯なので長湯できないが,何度か汗を出してはまた浸かり,このお湯を満喫した。この日は自分のみの貸し切りだったため,朝と晩に1回ずつ長時間貸し切りで浴室を独占するという何とも贅沢な宿泊となった。
 部屋は小さいながらも落ち着いた雰囲気の部屋で,最初から布団が敷かれていた。夜,ほてった体を冷ますために窓を少しだけ開けて夜風を入れながら体を横たえて休んでいると,遠くで五能線の列車がカタコト走っていく音が聞こえてきた。初めて泊まる宿なはずなのになぜだか妙に懐かしい雰囲気が漂う宿だった。個人的にはこういう宿でゆっくり1ヶ月くらい過ごしてみたい。

H20/10/4泊


  
こちらがたった一つの貸し切り浴槽。      茶褐色濁り湯でちょうど良く熱め。      かけ流しスポットは茶色に染まる。

  
フワフワの梅茶湯花が縁にたまっている。   湯を汲んですぐは透明なのに…    しばらくすると酸化して茶褐色に変わっていく。

  
底にたまっている茶褐色湯花で体が真っ赤になる。  浴室内の廃湯口。ここに一気に流れ込む。洪水です。 シャワーが3本あるがどれもとってつけたよう。

  
今回利用した杉の間。狭いなりにも十分。   最初から人数分の布団が用意してある。     真夜中の秋田谷看板。夜は更けゆく…