大鰐温泉(Owani Spa 


施設名 中央旅館
場 所 青森県大鰐町蔵舘字川原田
源泉名 大鰐統合源泉
(青柳3号源泉,石原源泉,植田源泉)
泉 質 ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉(含石膏−食塩泉)
温 度 68.6℃ pH 溶存成分総計 2,383mg/kg
お湯の様子 無色透明,薬臭+弱芒硝臭,弱塩味,かけ流し,あつめ 
料 金 日帰り不可 営業時間

平成24年、ひっそりと幕を閉じました。残念でなりません。


 大鰐温泉の大湯会館裏にある立派な和風旅館。以前から日帰り入浴のみは受け付けていないということを知っていたのだが,今回はたまたま縁があって入浴する機会に恵まれた。普段どうしても入浴したいというのであれば日帰り昼食付きプランが5925円〜という設定がある。

 入り口から入って左奥へ進むと男女別の内湯が1つずつあり,この日は宿泊客がいないということもあって熱めのお湯のセッティングだった女湯の方を利用させていただいた。小判を半分にした形の浴槽が1つだけあり,広めの洗い場の奥にはシャワー付きカランが並んでいる。浴槽の中に湯口があり,タイルの中にゆらゆら揺れる湯口の突起からお湯がもこもこと注がれているのが見える。この浴槽に熱い大鰐の源泉がそのまま100%で注がれているのだ。湯温はやや熱めの43℃で,浴槽の縁からさらさらとかけ流されていた。ほんわりと芒硝臭が香るお湯が体を優しく包んでくれるような浴感があり,ぴりっと差し込んでくるような熱さは感じられなかった。口に含んでみるとしっかり塩味が感じられ,加水などをしていない純粋な源泉だということがよくわかる。これはすばらしい。しばし浴槽に体を沈めた後,今度はかけ流されているスポット付近で体を横たえ,トドになってみた。窓の外には竹が植えられており,和風な雰囲気を味付けしている。天井から時々落ちてくる水滴が少々こそばゆく感じられる。汗を流しきった後,またお湯に浸かってお湯を楽しむ。極上の過ごし方であろう。賑やかな公衆浴場とはひと味違う高級旅館での湯浴みの楽しみ方だ。
 湯上がり後,女将さんとトークに花が咲き,気がつくと浴後1時間以上ロビーに居座ってしまった。大鰐温泉の昔話や平成4年の台風19号が来たときの被災の話など,実に貴重な話を聞かせていただいた。宿に歴史有り,そして温泉には良き人情ありといったところだろうか。心も体もあったまる実に良い旅館だった。

H20/10/6


  
こちらが右側男性浴室。この日のセッティングは温め。   こちら左側女性浴室。女性客の要望に合わせて熱め。   湯口はお湯の中にあります。

  
 トド目線から見た浴槽の縁。美しいタイルのラインにうっとりです。   こういう素敵な浴槽には緑タオルが似合います。    入り口の行燈が美しい。