温湯温泉(Nuruyu Spa


施設名 利兵衛客舎(民宿 利兵衛)
場 所 青森県黒石市温湯
源泉名 温湯温泉(3号泉)
泉 質 ナトリウム-塩化物泉(弱食塩泉)
温 度 60.0℃ pH 7.6 溶存成分総計 1,239mg/kg
(Na 383mg, Cl 404mg, SO4 223mg)
お湯の様子 無色透明,焦げ硫黄臭 +微アブラ臭,薄薄塩味,かけ流し
料 金 200円 営業時間 お湯さえ入っていれば,要相談

 十和田湖への玄関口にある西十和田温泉郷の一番津軽側に位置するのが温湯温泉で,そこに並ぶたくさんの温泉客舎の一つ。飯塚客舎を訪れた際に「他に内湯を持っている客舎はないですかねぇ」と尋ねたところ,斜め向かいの利兵衛客舎も持っていると情報を得たため急遽訪問してみた。

 この日は夕方の薄暗い時間帯で,客舎の入口は真っ暗だった。奥の部屋がかすかに明るいような気がしたので「ごめんください」と声をかけると女将さんが出てきてくれて,お願いしてみると快く入浴を引き受けてくれた。まだお湯が完全に溜まっている状態ではなかったのだが,ありがたいことにご厚意でお借りすることができた。
 さて,脱衣所のロッカーの上を見ると何やらメモ帳がある。メモ帳には日時,投入量,温度,水深などがびっちり書き込まれたノートで,清掃後に投入するお湯の量を10分おきに調整しながら投入させ,加水無しの状態を保っているのだ。早速中に入ってみると確かに香りが濃い濃い。山賊館や飯塚客舎よりもだんぜん硫黄臭が濃い。ライオン湯口から注がれるお湯は焦がし硫黄臭が香り,味も微アブラ系薄塩味がする。これはたまりません。あと1時間もすればお湯は一杯になるのだろうがこれだけ溜まっていればもう十分満喫できます。本当に心地よいのです。食塩泉なので長湯は禁物なのですが,ついつい浴槽にとっぷり浸かってしまいました。湯面からも若干微焦がし硫黄臭を感知でき,うっとりしてしまう。温湯温泉のイメージが一気に変わってしまいました。浴室が1つしかないため,この浴室にしっかり手をかけて大事にしていると言うことがよくわかります。共同浴場以外の旅館や民家が引いているのはどれも同じ源泉だそうだが,ここのお湯は加水がない分,本当に心地よいです。温湯に来た際は外せなくなりそうです。
 帰りがけに「気をつけてね。帰りにかじっていって。」と,リンゴを1個もらってしまった。思わぬ手みやげに目頭が熱くなったことも付け加えておきます。

H18/9/24


  
たった一つしかない浴室。お湯を張っている途中だった。   湯口は見事なまでのライオンです。焦げ硫黄臭が美しい。   湯温を記録しているノート。源泉100%の証し。