板留温泉(Itadome Spa


施設名 民宿 桜庭
場 所 青森県黒石市板留字長坂下
源泉名 板留源泉
泉 質 ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉
(低張性中性高温泉)
温 度 63.5℃ pH 7.21 溶存成分総計 1,929mg/kg
(Na 254mg, Ca 290mg, SO4 941mg, Cl 204mg)
お湯の様子 無色透明,石膏+芒硝臭,無味,かけ流し,適温
料 金 日帰り設定無し 営業時間

2016年末にひっそりと営業を終了しました。今は更地になっています。(2017年10月現在)


 板留温泉の中央に一際大きくそびえ立つ丹羽旅館のすぐ脇に建つ温泉民宿。以前2度ほど宿泊利用をお願いしたことがあるのだが、農繁期で大変だからという理由で残念ながら2度とも丁重にお断りされた。また、別の機会の時に日帰り利用をお願いしようとしたのだが、日中は留守にしていることが多く、交渉すらできなかった。この民宿とは入浴の縁が無いものだと今までずっと諦めていた。そんなある日…、東京から友人が黒石大鰐方面へ宿泊しに来るということになり、懲りもせず「3度目の正直」ということわざを信じて、またこの桜庭さんに宿泊利用をお願いしてみることにした。
 …(中略)長い交渉を終え、素泊まり4150円で宿泊できることになった。東京の友人も以前断られたことがあったので、今回は二人そろって感無量の宿泊となった。

 民宿に宿泊するのは私と東京からの二人組みの我々3人だけ、つまり貸切だ。2階にある3部屋を贅沢に使わせてもらい、ゆったりと時を過ごさせてもらった。ここ数日、朝晩の冷え込みが突然厳しくなったため、親切にも女将さんがストーブも準備してくれていた。これはとても嬉しい配慮だった。
 さっそく1階にある浴室へ向かうことにした。浴室の正面には民宿大川でもお目にかかったことがある巨大ネプタこけしが待ちかまえていた。不敵に微笑む謎のこけしに一瞬たじろいだが、気を取り直し2つある浴室の両方を見せてもらった。左側は2人サイズの浴室、右側は1人サイズの浴室だ。どちらも板留らしい石造りのシンプルな浴槽で、うっすら茶色がかったお湯が静かに注がれかけ流されている。浴室の扉を開けた瞬間に浴室から香ってくる芒硝臭、そして湯面近くでうっすら香る石膏臭がとてもすばらしい。ほんの一寸だけお酒を嗜んだ後に、まずは広めの左側浴室を味わった。一緒に入った関東人J君も浴室全体に香る芒硝臭にご満悦のようだった。二人で浴槽のお湯を贅沢に溢れさせ、1時間近くゆっくりとお湯を味わった。溢れさせた後は若干注がせる湯量を多くし、浴槽内の温泉温度をどんどん上げてみた。芒硝泉特有のビリビリ感が一気に高まり、体にさし込んでくるのがわかる。これは芒硝好きの自分にとってはかなり気持ち良いです。やや熱めのセッティングにしてしばらくお湯に浸かると、体が一気に真っ赤になってしまった。汗を一通り出し切り、またビリビリと熱いお湯に浸かる。うぅん…、もし可能ならばこのままこの浴室に泊まってしまいたいという気分になった。湯上がりは爽快で汗の引きがすばらしく、肌がサラサラになる。やはり板留温泉は素晴らしいなと改めて感じた。
 深夜の入浴はお控え下さいと張り紙があったのだが、うるさくならないように気をつけながら23時頃からまた1時間ほどお湯を味わった。また、朝も30分ほど板留のお湯を独占満喫した。実に贅沢な素泊まりとなった。これで4150円は十分すぎるコストパフォーマンスでしょう。納得のいく宿泊利用でした。

 利用難易度の高い民宿桜庭を味わうことができたので、これで板留温泉の入浴可能な施設は全て味わわせてもらったことになるのだが、結論から言うと板留温泉はどこのお湯も素晴らしい湯遣いであるということだ。西十和田温泉郷の中では一番地味な板留温泉なのだが、今まで廃業したのは富士見旅館と共同浴場(危険だということで取り壊し)だけで、残りの施設は昔から現在まで営業をずっと続けてきている。落合、温湯と廃業していく旅館が多い中、実は板留は地味でありながら一番元気なのである。これからも全ての民宿や旅館が手を取り合って活気ある温泉街にしていってほしいと思った。

H22/9/25泊


 久しぶりに他県ナンバーの車があったので訪れてみました。この日はお客さんが来ているのでお湯を張っているはず!そう思い玄関を開けると、女将さんが出てきてくれて対応してくれました。「あぁ、素泊まりで泊まったお客さんね」とこちらのことを覚えていてくれて入浴OKとなりました。相変わらずの良いお湯で、体にビリッと染みこむすばらしい浴感でした。ほんのちょっとで帰ろうと思っていたのですが、思わず30分以上滞在してしまいました。またここに泊まりに来たいなぁと切に思いました。シド君、今度泊まりに行きましょう!(個人的願望)

H24/5/4


  
小さめ2人サイズの浴槽。板留標準の石造り浴槽です。   湯口は一般の蛇口をひねります。自分で温度調整します。   かけ流しが美しい・・・。

  
こちら奥の浴室。浴槽サイズは同じだが洗い場が狭い。   出口を出たところに聳えるこけしネプタ。   部屋は快適でとても満足行くものでした。