八戸市内銭湯(Hachinohe Public Spa)
施設名
大黒湯
場 所
青森県八戸市市川町尻引字前山
源泉名
− 泉 質
推定 単純冷鉱泉
温 度 約20℃強 pH − 溶存成分総計 − お湯の様子 無色透明,無味,消毒臭,半循環一部オーバーフロー 料 金 420円 営業時間 14:00〜21:00 月曜定休
八戸市の北部,市川町にある昔ながらの銭湯。表通りを迂回するように伸びる裏通りに位置し,看板などが何もないため見つけづらい。にょっきり伸びる煙突を目印にしていくとたどり着くことができる。外観を見ると今にも壊れそうなバラックのような造りだ。扉を開けた先も予想通りの昔の鄙びた感じが残されている。敷地内に湧く温めの地下水を利用している銭湯だが,温泉として申請していないためここでは銭湯として扱う。
ミシミシ言う床を歩き,藤製のカゴに脱衣をし,きしむ引き戸を開けて内湯へ入る。すると,半円形のタイル浴槽を2:1に区切った広めの内湯に岩湯口からお湯を注がせた昔ながらの光景が広がる。両脇にシャワー付きカランが並ぶが,数個が朽ち果ててその機能を果たしていない。浴槽のタイルもあちこち朽ち果てていて何か元気が無い。それでも地元の人たちがひっきりなしに訪れていて,にぎわいをみせていた。お湯は無色透明,無味,消毒臭が香る。水カランを出しっぱなしにしてもいつまでも温度が下がらず,だいたい20℃より高い温度で推移することから,ここの源泉温度は20℃強と思われる。源泉自体の浴感はさらりとした感じで,湯上がりの肌がさらりとする。半円形の浴槽の広い浴槽から若干の量が溢れ出している。昔は熱交換で浴槽内の源泉を温めていたらしく,その名残として熱湯を通すためのパイプが深い浴槽の底のほうにむき出しになっている。結局自分はこの浴槽内に吸い込み口を見つけられなかったのだが,注がせる量と溢れる量から考えるとやはり半循環利用なのだろう。
鄙び具合からすると,ここの大黒湯の営業も大変そうだと察した。八戸市内にはこのような昭和の雰囲気を漂わせた銭湯が多いが,リニューアルするにも経費がかさむため大変だと聞く。大切な文化遺産を地域住民だけでなく,行政側のバックアップも絡めながら取り組んでいって欲しいと切に願う。H20/11/23
半円形の浴槽。左が浅め,右が深め。(浴槽右底の黒いものが熱交換跡) 手前左側にオーバーフローする。 湯口。どちらの浴槽も温度は同じ。
折れたシャワーはそのまま使われなくなっている。 水カランはいつまでひねっても20℃を下回らない。 番台奥に控える大黒天様の木彫像。