川倉温泉(Kawakura Spa 


施設名 五所川原市金木中央老人福祉センター
           「川倉の湯っこ」
場 所 青森県五所川原市金木町川倉字七夕野
源泉名 川倉温泉
泉 質 ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
温 度 35.1℃ pH 8.61 溶存成分総計 1,330mg/kg
(Na 452mg, Cl 478mg, SO4 227mg, CO3 14.4mg)
お湯の様子 無色透明、薄塩味、うっすら温泉臭、泡付きなし、加温あり、かけ流し
料 金 400円(市外)
300円(市内)
営業時間 9:30〜20:00(月曜定休)

 五所川原市金木町の芦野公園裏手にある老人福祉センター。国道339号線からはちょっとだけ東側に道路を折れて「川倉地蔵尊」を目指すとすぐに見つかる。地蔵尊の目の前にある施設が「川倉の湯っこ」と呼ばれて親しまれている老人福祉センターだ。元々金木町の老人福祉センターだったのだが、市町村合併で五所川原市に編入となり名称が変わった。

 この日は夏の甲子園準決勝が行われていた日で、しかも青森県代表校が準決勝を戦っている時間帯だったため、殆どお客さんがおらずにほぼ貸切状態で浴室を利用できた。当然我々も甲子園は気になっていたのだが、甲子園よりもこの川倉の湯っこのお湯がどんなものなのかがもっと気になっていたので、探湯心のほうに従って浴室へ向かった。(一緒に行動していた他の3名の青森県民は途中の大画面プラズマテレビ前で誰一人として立ち止まることは無かった。)
 脱衣所を抜けた先で、まずは三角形にも似た扇形の浴槽が1つ目に入った。手前の縁は洗い場のシャワーが飛び散るのを防ぐために透明なボードが仕切りとして立てられている。一見邪魔そうに見えるのだがこれがまた嬉しい配慮だ。その上から奥を見ると、窓の景色が湯面と床に反射して美しいシンメトリーな世界を醸し出している。美しい…。思わずうっとりして見とれてしまった。浴室中には熱気にも似た湯気が篭もっており、真夏の温泉場らしいムンムンした世界を作り出していた。反対側に回って床を見てみると、床が大洪水になっているのがわかった。これは凄い。まるで床が動いているように見えるのだ。扇形の浴槽の縁から全ての方向にお湯がサラサラ溢れている。しかも、そこが広々とした床スペースになっているため、全国数住人のトド寝愛好家にとっては絶妙なスポットになっているのだ。お湯に浸かる前にここまで浴感以外で記事が書けるなんて…。
 早速お湯に浸かってみた。無色透明なお湯は意外にもあっさり感があり、熱いながらもべっとりとまとわりつかないさらりとした浴感があった。食塩泉を予想していたのだが、ほぼ単純泉といった感じだろうか。源泉温度が低いため加温されたお湯が浴槽内のパイプ湯口から泡を伴って注がれている。その注がれる量が甚大だから、この床が大洪水になっているのだ。湯上がり後にある程度の発汗はあるのだが、しばらくするとしっかり汗が止まってくれる。夏に入っても冬に入ってもほかほか気持ち良い湯上がりを楽しめそうなお湯だ。久しぶりに五所川原市民がうらやましくなった1湯だった。

H23/8/20

  
入り口から入ってすぐ目に飛び込むシンメトリーな世界。    こちら側からも入れますが、見た目はやはり反対側からのほうが美しいです。。

  
溢れ出すお湯が洪水のようになっているのが見えるでしょうか。角度を変えてみてもそれがよく分かるはずです。   湯口は浴槽の中にあります。なぜか泡が一緒に出ています。


 改装されたらしいという情報は聞いていたが、めったなことでこのエリアには来ないため未確認でした。今回訪問してみてその変貌ぶりにびっくりしました。
 浴室の位置や休憩スペース、廊下の間取りなどは変わっていないのですが、浴室の中が大きく変化しました。今まで2つに分けられていた浴槽が1つになり、広々としたのです。お湯は変わっていないのですが、なんだかちょっとシンプルすぎて落ち着かなくなりました。けれど、のんびり浸かるにはちょうど良い感じです。窓が高くなったせいで、ゆっくり外を眺めることもできず、結局15分程度で上がってしまいました。良いお湯、良い施設なのですが、自分の中では以前の方がやはり好きでした。

H23/5/2

  
かけ湯浴槽。ここも熱いお湯でした。    一度にたくさんの人が浸かることができそうな浴槽が1つ。   しっかりかけ流されています。